[書評ブログ] 「AWSの知識地図」は前提知識からWEB環境構築、サービスの字引として使える新社会人の方にもオススメな一冊!
CX事業本部の中安です。まいどです。
今記事では2022年4月に刊行された新しい書籍。「AWSの知識地図」をご紹介します。
執筆者は5名ですが、いずれもクラスメソッドの社員の皆様です。 その中には普段からよく話すメンバーもいて、執筆中の様子もチラホラと見ていたこともあり、勝手に書籍に親近感を湧かせていただいております。 執筆お疲れさまでした。
自分はモバイルアプリエンジニアであり、AWSを業務としてガッツリと触ることはあまりありません。 モバイルアプリバックエンドとしてAWSの一部サービスをたまに触れる程度でしょうか。 そういったレベル感の人間がこの本を読んだ所感などをまとめたいと思います。
ざっくり内容
この書籍は4章立てです。5名の執筆者による著ですが、第2章は二人で書かれたそうです。
第1章
「全体像を押さえる」というタイトルですが、この章では「そもそもクラウドコンピューティングって何」という根本的な知識を得るための章になっています。
根本的な知識ということで、クラウドの話に入る前に「サーバって何」「ネットワークって何」「データベースって何」といった話から導入されます。 コンピュータサイエンスを一通りやってきた方なら把握している話でも、たとえば異業種から挑戦を始めた方には前提知識がないかもしれません。 そのため、クラウドコンピューティングが始まる前の世界観、そしてITインフラ全体の前提知識からこの本はスタートしています。
その上でクラウドコンピューティングの代表格であるAWSのおよそ15年に渡る歴史が紹介され、 「責任共有モデル」や課金モデルなどのAWSの思想についても言及されます。
自分もこの章を読んでいると、お仕事の中でよく聞くフレーズ・またはサービス名のローンチが、 いかに大きなサービスインだったかが分かりました。
第2章
2章目は100ページを超える長いセクションです。 「WEB環境を構築する」という題目で実際に手を動かしながらAWSサービスを使っていくハンズオン的な章となります。
初心者本によくあるAWSコンソール画面のキャプチャを見ながらポチポチとボタンを押していくものではなく、 AWSのCLIを使ってのコマンドベースでの構築が紹介されています。
しかし、初心者には厳しい内容かと思いきや、cd
コマンドや ls
コマンドなどの基本コマンドの説明もあり、
黒い画面を怖がらなければ (笑)、試してみるのはそれほど難しいものではないかと思います。
実際に手を動かしながら、VPCやサブネット、ルーティングなどのネットワーク関係の作り方、 EC2を立ててWEBサーバとして使う方法とそのスケーリング、またはRDSを使ったデータベースサーバの作り方などを一通り学習することができます。
初学者はたぶん最初は頭が混乱しそうな内容ですが、 解説もしっかり書かれていますし、関連するDevelopersIOの記事も何個も載っているので、 動かして読んでを繰り返していくと勘所がわかってくるのではないでしょうか(多分)
第3章
3章は「セキュリティ」のお話です。
安心安全なクラウドサービスを使っていても、使い方一つで大きなセキュリティ事故は起きてしまうものです。 そのため、第3章に書いてあることはIAMロールやIAMポリシーを中心とした権限周りの話、 またはセキュリティ上の異常を検知するログなどの考え方、認証情報の扱い方などの基本的な情報が掲載されています。
もしかすると、2章の作業を始める前に、ひととおり読んでおいてもいいかもしれませんね。
第4章
最終章は「サービスを押さえる」というテーマです。 ざっくりというと、ここまでで登場したAWSサービス以外のサービスを一挙にご紹介といったところでしょうか。
目次を頼りに列挙すると
- インフラ
- アプリケーション開発
- データ分析
- 機械学習
- メディア配信
- エンタープライズ向け
- IoT
200以上あると言われるAWSサービスですから、そのすべては網羅されていないと思いますが、 クラスメソッドのお仕事の現場ではレギュラーメンバーとして使われるようなサービスが一堂に紹介されています。
紙面の都合上、1つ1つの話は短くはなっていますが、 たとえば「あれ、このサービスって名前は知ってるけど具体的にどんなサービスだったっけ」というときに辞書的に引けるかなと思います。
どういう人に勧めたいか
まずはAmazonの書籍情報から引用します。
最短最速で今必要な知識を⾝につけるために、「情報のハブ」というコンセプトで書き下ろした新しいAWS⼊⾨書です。
「情報が多すぎて何から⼿を付ければいいかわからない」 「ボリュームのある資料のうち今⾃分に必要な情報はどれかがわからない」 「そもそもこの資料でよいのか、ほかに読んでおくべき資料があるのかもわからない」
新しい技術を学ぼうとすると、こんなハードルにぶつかりがちです。 本書は、⽟⽯混交な情報リソースの中から、AWSエンジニアとして押さえておきたい情報源をふまえ、現場で活躍するエンジニアたちが必須の基礎知識を解説。AWSの根本にある考え方や最低限のAWSの構成、現場で必須となるセキュリティなどを知識が身につけられます。 AWSパートナー・オブ・ザ・イヤーに選ばれたクラスメソッドのエンジニア陣が送る、AWS初学者必携の1冊です。
ここにもある通り、この書籍は「AWS入門書」となります。 ですので、まず想定とする読者は「これからAWSをはじめよう」と思っているインフラエンジニアの方になると思います。
しかしながら、対象はインフラエンジニアにとどまらないと思います。
AWSに関わるようなIT関連でお仕事をしている営業職の方や、マネージメント層の方もひととおり目を通してもいい内容だと思います。 それほどにAWSを触るなら知っておいたほうがいい前提知識 (第1章・第3章)、AWS構成図に描かれている意味 (第2章)、AWSサービスの網羅的な字引 (第4章)が備わっているからです。
もちろん4月ということもあり、今月から新社会人として働きだした方にもオススメできると思います。 今すぐにはAWSを触らなくても、手元に持っておいて徐々に読んでいくのもいいと思います。
おわりに
すでにこの書籍については、プリズマティクスオペレーションの佐藤さんが書評ブログを書かれています。 そちらも併せて読んでいただき、購入の検討をしてみてはいかかでしょうか。
[書評] AWSの知識地図
https://dev.classmethod.jp/articles/book-review-aws-no-tishikitizu/
ということで最後にAmazonのリンクを貼っておきます。
では、またー。